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ネズミ、ウサギの食害から守る(1)

 北国の冬は寒さ厳しく長いので、主に植物を糧としているシカ、ウサギ、ネズミは森林だけでなく、越冬させる植物の苗畑やガーデンそして私たちの庭にも出没する嫌われ者。どうやって被害を防ぐかは決め手を欠くこともあるのですが、今まで実践して効果のあった方法をいくつかご紹介します。

 

 

 一番困るのは幹の地際から樹皮を食われることで、周囲を全部被害を受けると、春になって最初は芽吹きますが、水分や養分が供給されず、最悪枯れてしまいます。特に果樹やバラなどでは、大切な接ぎ木上部がダメになり、台木のみが生き残ってひこばえが発生。このことを知らずに育て、後でがっかりすることもあります。

 

 

 そこでよく見かける対策として、金網を幹に巻く方法があります。しかし網の合わせ目や網の上下と幹の間に隙間ができて、そこからネズミ(主にエゾヤチネズミ)が侵入することがあるので注意しましょう。2年くらいは大丈夫ですが、それ以上網を放置していると、肥大した幹が食い込んで手遅れになることもあります。点検して巻き直して下さい。

 

 皆さんにお勧めする方法は・・・

 

エゾシカに食害を受けた幹(左)と肥料袋を巻いたエゾヤマザクラ(右)

 

 肥料、園芸用土の入っていたポリエチレン製の空き袋やビニール、または防風ネットを幹や枝に巻き付ける方法です。袋の場合は底を残して上と左右を切って短冊状にすると、背丈のある木やツルにも有効です。心配ご無用!絶対にかじられません。ただし薄いものは裂けやすいので使わないのが無難でしょう。(生産現場では安価なので重宝していた方法で、客先にも推奨し、喜ばれていました。美観を気にする方は無彩色系の袋を用意して下さい。)

 

 

 下図のように、融雪期にはベッドの立ち上がりの元、溝の底、繁茂した草の株もとに隙間や空洞が出来るので、足で踏み固めるか、除雪をしてネズミの行き来を防ぎましょう。彼らはキツネやカラスなどの天敵に身を晒すのを恐れるからです。

 

 

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木々を越冬させる(1)

 今年は今のところ気温の高い日があり、雪は融けてしまいました。厳寒・少雪の安平町ではよくあることなので驚きませんが、先日は最低気温がマイナス20度、数日前の最高気温がプラス9度で落差があり過ぎ。そんな訳で40年近く植物の種類、養育年数を見極めながら、越冬させる処置の種類とタイミングを計ってきました。

 

 特に翌年出荷を控えた苗、厳寒にやや弱いものは気を使います。数量が多いので1本1本冬囲いをしなければならないような種類は、はじめから生産対象外。最もよく行う方法は苗を倒す「仮植(かしょく)」で、現場では「伏せ込み」ともいっています。しかしあまり早い時期に伏せるとネズミの巣になるので、土壌凍結するころまで作業を待ちます。このころになるとネズミも落ち着き先を決めているので安心。知恵比べです。

 

越冬に問題ないとした種類は、単に伏せただけにしています

 

 しかしこの方法だけでは心配な種類と幼齢苗は、寒冷紗などをかけておきます。防風、春先の脱水防止に効果的で、未処置区との比較も行ってきましたが、枯損率、枯れ込み深さともに差が出ることが多いようです。ただ多雪地域ではネズミ対策を施さないと大変なことになるのでタイミングに気をつけて下さい。安平町の場合、例年は11月下旬〜12月上旬ですが、今年は暖かい日が多く、12月中旬にずれこんでいます。(いずれも来春までの預かり品なので責任重大)

 

寒冷紗を一枚掛けした苗。種類・状況によっては防風ネットを2枚掛けする場合もあります。

論より証拠!相当使い込んだので継ぎ当てが痛々しいですね(笑)

 

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冬囲いと熱収支

 ご当地の寒さに耐られそうもない植物(主に樹木)を何とか屋外で越冬させたいと思う人はプロ・アマ問わずたくさんいらっしゃるかと思います。今まで様々な樹木を様々な方法で越冬を試み、最低でも5年をかけて試験栽培。耐寒性等を確認してから、お客様のところに納品・植え込みをしてきました。昨今ありがちなネット情報程度でいきなり〜は問題があります。

 

 道内の園芸業界では体系づけられた試験・研究は苦手なようで、冬囲いのなかの温度を測定することでさえ皆無に等しい。どちらかといえば経験と勘、思いつきによるピンポイント的手法で行っているのが実情かもしれません。筋道を立てて試験したからと行って必ずしも望む結果が出るとは限りませんが、何事も長いスパンで技術と知識の蓄積が大切かと思います。

 

 無事屋外で越冬させるために、アマチュアの園芸家はしっかりとむしろ等で冬囲いをすれば大丈夫と考えています。一方でプロの園芸家やその方々の講義を聴いたり、園芸雑誌の記事を見た人は、囲いの上部と下部を閉じない方法を採用しています。春先に苗が蒸れると言われているからです。どのような植物がどのような時期に蒸れるのかまだ確認していませんが、常緑樹以外では眉唾(まゆつば)な情報もあるのではと思っています。この話題はそのうちあらためてということで。

 

 さてこの数年間、私なりに基本的な試験・測定を行ってきました。その結果を説明するには、狭い囲いの中を「熱収支」で考えるとわかりやすいとの結論です。少なくとも道内の園芸業界では「熱収支」が注目されたことはありません。典型的な例を図示しますので、参考にしていただければと思います。

 

○△×はあくまでも相対的な評価です

 

 ところでこれまでに関連記事について多くの問い合わせをいただきました。そのなかで一番多かったのは

 

  Q:温度データは囲いを雪で覆って計ったのですか

 

  Α:自然降雪だけの条件下で計測しました。人工的に雪を被せると新たな因子が増えるので避けています。積雪が少ないとき、囲い回りに雪を被せるのは効果がありそうです。しかし春先に融けづらい、被圧による影響も考えながら自己責任でお願いします。

 

 まだまだ条件を探る段階です。ベーシックな試験の積み重ねを怠るのは危険。工業化学分野で例えるとビーカーテストのレベルにもかかわらず、いきなり生産ラインに導入するようなもの。失敗すると担当者の首が飛ぶだけでは済まされません(笑)

 

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