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ミオン農苑とロングパリッシュ(4)
■こだわりのあるモノづくり
 私たちにとって建物、芸術作品、料理など完成した作品を見たり味わったりするとき、 歴史的背景、経緯、素材へのこだわりを知っているか否かで随分と評価が変わります。作品の深みを感じるからではないでしょうか。たとえば美しいと感じるミオンの水路。そこに投入された砂利の吟味とゴム長靴を履いての水洗い。私もほんの少しだけ手伝ったこともありますが、水をせき止めては足で砂利をかき混ぜ、流してはまた洗うという作業を延々と繰り返す重労働。綺麗なわき水を際だたせるためには欠かせないといって自ら汗を流していた近さんの姿が印象的でした。そうしたこだわりとセンスの良さはご夫妻共通で、店内と庭のあちらこちらで知ることができます。



■イギリスの早春
 ところで前回のお話しに登場したイングランド南部。私は20年前の3月に一度訪れただけですが、早春といっても北海道の4月初めに相当し、まだ芽吹きしていない木々と枯れ草ばかり目に付きました。



 残念なことに当時はデジタルカメラはないので、限られたフィルムで印象的な場面や目的の植物に的を絞って撮影。まだ肌寒いこの時期、庭に咲き誇っていたのは、春咲きのエリカ、マグノリア、ハナフサスグリ(Ribes sanguineum)。鉄道沿線の林縁ではハリエニシダ(Ulex europaeus)くらいだったと記憶しています。草花には興味がなかったのでわかりませんがスイセンだけはよく見かけました。



■スイセン裏話
 この町で飛び込みで宿泊したホテルの隣にバラの園芸品種名にもなっているウィンチェスター大聖堂(Winchester Cathedral)があり、そこにもスイセンが咲き誇っていたので思わず記念撮影。それから数年後、個人的なことで砂川の某社旧社宅跡地にいったところ、付近の土手に放置され草むらのなかでしたたかに生き延びているスイセンを見かけました。裏を返せば管理に手間のかからない草花として、もっと脚光を浴びてもよいのではと思ったのです。

 当時はガーデニングに火が付いたときで、とにかく目新しい草花に飛びつき、従来からあるスイセンなど忘れ去られていました。こんなに丈夫で北海道にも適したものが何故という思いで、当時「私の部屋」の近さんに相談したところ、「イギリスでも普通に植えられているよ。」といって分厚いアルバムを何冊か開き、イングランド中・南部の田舎などで咲き誇るスイセンの写真を見せてくれました。



 その後、何人かのガーデンデザイナーと称する人に、スイセンの話を持ちかけたのですが、皆さんは「何で今さらスイセンなの」という受け止め方をしていました。そのなかでUさんも同じように怪訝そうな顔つきで話を聞いていましたが、その直後に早春のイギリスを訪れた彼女は、はっとしたのではと思います。新しいモノを求めているとき、そうでないモノは意識していないと存在感がないのです。帰国後、行動派の彼女は関わっている大型ガーデンに取り入れました。そのときの程良い配置(散らし方)と密度は素晴らしく感動したのですが、その後の作品はやや過密気味で残念。しかしスイセン(品種的なことは別として)を単なる整形花壇の花や脇役としてではなく早春の主役として大型ガーデンに取り入れたことは評価すべきでしょう。

 ちなみに日本には中国を経由し人為的または暖流によって持ち込まれ野生化したとされる三大群生地があります。なかでも最大の面積(70〜100ha)を誇る福井県越前海岸のスイセンは地中海沿岸原産のニホンズイセン(Narcissus tazetta var. chinensis)とのこと。厳しい冬の日本海に咲き誇る数十万株の花は壮観でしょうね。

(参考サイト)越前海岸の水仙(写真集)

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