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土壌のpHについて(1)
 私たちが庭に植物を植えるとき、どのような土であるか知ることなく語ることはできません。最も大切なことは土の物理的・化学的性質(保水性、排水性、団粒化、C/N比、pH、電気伝導率など)で、肥料云々以前に重要な要素となります。

 このなかのひとつ、pH(ピーエイチ、ペーハー)は、土を水に溶かしたとき(土が水を含んだとき)水素イオンの濃度がどれくらいなのかを表します。私たちが通常扱う場合は、この値を0〜14の範囲で表し、数値が小さいほど酸性が強く(水素イオン濃度が高く)、大きいほどアルカリ性が強い(水素イオン濃度が低い)ことを示します。よって中間の値(pH=7)は中性と呼ばれています。(厳密にはpHがゼロより小さい物質、14より大きい物質がありますが土壌・植物の世界では無視して構いません)

 さてpHは植物とどのように関わっているのでしょうか。単純に言えば植物が必要としている様々な成分(主要3要素といわれる窒素、リン酸、カリウムのほか微量元素)が土中で吸収されやすい形になっているかどうかを左右しています。例えば、主要成分のリン酸はpHが低すぎても高すぎても吸収できない形となり、効率が悪くなります。

 よく「バランスの良い肥料を与えて下さい。」いう話を耳にしますが、それでは不完全で「効率よく吸収できる土の環境を作り、バランスの良い肥料を与えて下さい。」と言わなければなりません。そのためにはpHだけでなく、与えた肥料の化学的変化(改善)を担う微生物、有機酸などを多く含んだ堆肥、土壌改良材などが欠かせません。

 話を戻しますが、先ほどのpHは私たちの目で直接確かめることができません。そこでその値を測定する装置が必要になりますが高価なものが多く、あまり現実的ではありません。また精度について神経質になる必要はないので、安価でしかも手軽に測ることができる測定液・指示薬を園芸店より購入します(量販店で600〜700円くらい)。



 先日これを試してみました。測定する液体を入れる透明容器、液体に点滴する指示薬、現れた色で判別するためのカラーチャートそして説明書が入っています。



 まず、適当な容器(ここでは透明なビーカー)に約10センチ深さから土を採取し、2倍の容積の水でよく溶かします。しばらくしてやや透明感のある上澄み液を、説明書に従って透明容器に入れ、指示薬を2〜3滴加えて蓋をしよく混ぜます。そうするとpHの違いによって上澄み液に異なる色が着くので、同封されているカラーチャートにある色と比べて判定します。



 と、ここまでは説明書に書いていますが、土を溶かしたり容器を洗うときに使う「水」に問題はないのでしょうか。水と言っても水道水であり、中性を示す「純水」ではありません。念のため使う水のpHを測ることにします。これは化学実験では基本的な作業のひとつでブランクテスト(blank test)といいます。水道水がこの測定に大きな影響を及ぼす強酸性・強アルカリ性であるはずはありませんが、水は中性だろうと決めつけててはいけません。安心と確証を得るため欠かせないのです。

 早速、水道水を容器に入れ測ってみると、その色からpH=6.5(±0.2くらい?)と出ました。決して中性のpH=7.0ではありませんが、この程度の測定にはほとんど影響しないといえます。これで安心。測定を続けてみます。



 試しに適当な庭土を測ると、pH=6.0前後。これを3箇所から採取して調べます。この値であればほとんどの植物は問題なく育ちそうです。



 せっかくなので「色水遊び」をしてみましょう。まず最初は強い酸性を示すピートモスです。



 続いて、家庭用の固形石けん。pH=7.5くらいでしょうか。



 紙を燃やし、その灰を溶かして測るとカラーチャートにない紫色になりました。これは指示薬の推奨範囲(pH=4.0~8.5)に入らず、pH=8.5を超えるアルカリ性であると推定されます。



 ところで、pH=4.0と8.0の液体を同じ量(容量)混ぜるといくらになるでしょう。足した平均なのでpH=6.0?・・・残念でした。pHの値を単純に平均してはいけません。答えはpH=4.3。強酸性の土を改良しようとしてアルカリ性の強い石灰や草木灰を大量に入れたからといって、そう簡単に効果は出ません。しかも土には単純な水溶液と異なり反応を阻害(または緩衝作用)する有機酸が多く含まれているのでなおさらです。それよりも性急な強アルカリの投入は様々な障害を引き起こす原因となり恐ろしいのです。徐々に焦らず行いましょう。(つづく)



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