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シングルモルトの聖地(3)
 アイラ島北西部にあるブルイックラディ(Bruichladdich)蒸留所は、果敢で先進的なマスターディスティラー(Jim McEwan)がいて、様々な角度から酒造りに挑戦している。自分の仕事にも関連しているので驚いたのが「Botanist」(植物学者)というネーミングのドライジン(写真左)。以前ブログでも紹介したように、最初は随分と奇をてらった銘柄だなと思ったが、調べていくうちになるほどと感心した。
 単なる土産的なものではなく、地元産強く意識しながら品質の良さを追求しているのだと思う。ネーミングと珍しさだけでは本物にはならないということかもしれない。
写真右のボトルについては次回にでも
 そして意外だったのが、この島ではブルイックラディのみがボトリングしている蒸留所とのこと。財政的な理由もあり、ラベルは極めてシンプル。しかしデザイン的こだわりを感じる。
 ジンと言えば香り付けに欠かせないのがジュニパーベリー。ハイネズの一種(Juniperus communis)で緑色の実を付けるが、青紫色に熟した前年の実が残っていて混在するのが特徴で、熟したほうを選んで食べる野鳥がいるとのこと。マネして口にしてみると脂臭くてとても人間様には無理。
Juniperus communis JUNIPER BERRIES
 そして香り付けに使った植物はジュニパーベリーを含め31種。そのうち島に生えている22種(自生種かどうかは不詳)を選んだのが地元の植物学者だそうで、ネーミングの由来に納得した。植物に興味のある方は、次のリストをどうぞ。

学  名 (英  名)

Angelica sylvestrisANGELICA ROOT

Artemissia vulgarisMUGWORT LEAVES

Betula pubescensBIRCH LEAF

Calluna vulgarisHEATHER FLOWERS

Chamaemelum nobileSWEET CHAMOMILE

Cinnamomum aromaticumCASSIA BARK

Cinnamomum verumCINNAMON BARK

Cirsium arvenseCREEPING THISTLE

Citrus limonLEMON PEEL

Citrus sinensisORANGE PEEL

Coriandrum sativumCORIANDER SEED

Crataegus monogynaHAWTHORN FLOWER

Filipendula ulmariaMEADOWSWEET

Galium verumLADY'S BEDSTRAW

Glycyrrhiza glabraLIQUORICE ROOT

Iris germanicaORIS ROOT

Juniperus communisJUNIPER BERRIES

Juniperus communis nanaWILD ISLAY JUNIPER

Melissa offivcinaliusLEMON BALM

Mentha aquaticaWATER MINT LEAF

Mentha piperitaPEPPERMINT LEAF

Mentha X villosaAPPLE MINT

Myrica galeBOG MYRTLE

Myrrhis oderataSWEET CICELY

Sambucus nigraELDERFLOWER

Tanacetum vulgareTANSY

Teucrium scorodiniumWOOD SAGE LEAF

Thymus vulgarisTHYME LEAF

Trifolium repensWHITE CLOVER

Tritolium pratenseRED CLOVER FLOWER

Ulex europaeusGORSE FLOWER

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シングルモルトの聖地(2)
 ウィスキーは飲んでも国産の安いものか、Laphloaigくらいだった。しかし2007年に「Pen」という雑誌に紹介されたシングルモルトの記事に、おおいに刺激された。それはウィスキーだけでなく、アイラ島の風景が道北や道東の原野に似ていたからだ。ただ気候は島のほうがはるかに温暖なので、身の回りにはない自然と風景かもしれない。


 道路は舗装されているがほとんど一車線だそうで、「石狩平野」並の面積に3000人では、すれ違うことはほとんどなさそうだ。

アイラ島北部と道北日本海沿岸部(写真右下)とくらべる

 雑誌にはウィスキーについて島民の感想が紹介されていて、思わず笑ってしまうコメントも。


 この雑誌がキッカケで8箇所ある蒸留所のシングルモルトを少しずつ集めた。コレクションにするつもりはないので、惜しまず飲めるよう標準的なランクのものに的を絞った。



前列左より

Ardbeg(アードベック)・・・「バランタイン」のブレンドに使われている

Bruichladdich(ブルイックラディ)・・・チャレンジ精神のある蒸留所

Kilchoman(キルホーマン)・・・最近操業を始めた蒸留所。入手やや困難

Bunnahabhain(ブナハーブン)・・・「カティサーク」のブレンドに


後列左より

Bowmore(ボウモア)・・・「ロブ・ロイ」などのブレンドに

Cao Ila(カリラ)・・・バロック・レイド」などのブレンドに

Laphroaig(ラフロイグ)・・・テネシー産のバーボン樽を使用

Lagavulin(ラガヴーリン)・・・「ホワイト・ホース」のブレンドに


このように、著名なブレンドウィスキーにも使われている。



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シングルモルトの聖地(1)
 最近ではビールやワインに押され、低迷を続けるウィスキー。しかし9月末から放送されるNHK連続テレビ小説「マッサン」で話題になっている余市は熱くなりそう。ただ熱しやすく冷めやすい日本人の気質。長続きするかどうかは取り組み次第かな。

 ところでスコッチウィスキーのシングルモルト生産地は、その名の通りスコットランドにいくつかの産地を形成しています。竹鶴氏はスコットランド東部を流れるスペイ川沿いの蒸留所で修業。この地域はスペイサイドといわれ蒸留所の数も多く一大産地になっています。


 これに対して西海岸の沖合にあるアイラ島はおよそ石狩平野くらいの面積で人口は3000人ほど、ここに現在8箇所もの蒸留所がある。堆積したピートが無尽蔵にあるそうで、ラフロイグ(Laphroaig)のようにヨードのようなピート臭が鼻に突く独特なシングルモルトは有名。

縮尺をほぼ同じにした地図でくらべる。水色の印は蒸留所のあるところ

 北部内陸の路傍には、ツツジ(Rhododendron augustinii)が咲き誇り、巨大なフクシアが目を引く。冷涼とはいえメキシコ湾流の影響で北海道とは違いますね。この地を訪れた人は魅せられてここに移り住むこともあるそうです。





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