白一色の屋外で雪に埋もれた人を助ける・・・ではありません。黒く染まった世界からPCのデータを救出するお話しです。
先日、ある方から電話があり、雷の影響でPCが起動しなくなったとのこと。私が忙しいと思いしばらく声をかけられなかったと遠慮されていたようです。故障してすぐに行きつけの家電屋さんに見てもらったところ「CPUがダメになったので、買い換えた方が早い」と言われ新しいPCを購入。しかし大事なデータのバックアップをしていなかったので何とかならないかとの相談でした。
Windowsは、電源を入れるとまずはこんな画面が表れます・・・
しかし、この方のPCはこのような画面が出て先に進みません。
これで家電屋さんが言う理由は当てはまらないことがわかります。そのとおりならこの画面すら出ないでしょうね。しかし大事なデータが記憶されているハードディスクは物理的に認識されているので、データを救出できる可能性があります。一般の方が触れることはまずありませんが、Winodows特有のBIOS画面(下)も表示されました。
手始めに預かってきたPC(Sony Vaio)の開腹作業。Vaioは初めてでマニュアルはありませんでしたが今までの経験で難なく外側のカバーを2枚外せました。
そしてハードディスクを取りだし、私が所有するノートPCの外付けとして接続し、立ち上げてみたところ
問題のハードディスク(以下HDDと略します)は、ふたつのパーティーションに区切られており、E、Fドライブと表示されました。
しかし、アイコンをダブルクリックして開こうとすると
Windows標準の管理ツールで調べてみると、案の定ファイルシステムが認識されていません。おそらく雷の電気的な衝撃で、運悪くシステムに影響するソフト的な障害が起こったようです。システム自体の修復は私のレベルではとても自信がありません。下手にいじるとデータの救出も出来なくなる恐れがあるからです。
そこでデータの救出に悪影響を及ぼさないWindows用のメンテナンスソフトを調べ、適当なものを購入してスキャンしてみました。そのソフトでスキャンすること1時間半
おぉ〜、ファイルが表れました。でも喜ぶのはまだ早い。仮に救出してもファイルが壊れている可能性もあるからです。(個人情報のため、ファイル名にはモザイクをかけています)結局、依頼されていたデータはすべて救出できましたが、もし出来なかったときは購入したソフトが台無しになるところでした。見えないリスクをかかえて作業するPCのトラブルは、ビジネスで考えると金銭的にも精神的にもとても割に合わないのが実情です。作業時間も相当なものです。しかし頼まれるといやと言えない性格なので・・・といいながら今回は結構楽しんで作業しました。
ひょっとすると先の家電屋さんはそうしたことをわかっているので買い換えさせたともいえます。ビジネスとして考えると利口な「逃げ」なのかもしれませんね。
データを救出した後、別のHDDを装着して、Vaio専用のWindowsをインストール。無事起動して一件落着です。結局のところ、もしこの方が大切なデータをバックアップしていたら、新しいPCを買わずに済んだということになります。皆さんもCDに焼くなり、外付けHDDにコピーしておくなどの対策を忘れないようにして下さい。そうしないと高くつきますので。