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試験植栽

 寒さの厳しい冬を乗り切る(越冬する)ためには、自社苗畑・敷地にて試験してから世に出す(販売する)ことが義務と考え、ここで5年間以上様子を見てから量産してきました。当社苗畑の最低気温は帯広より厳しいので、道東・道北の一部を除き安心して使っていただいています。それでも失敗したことがあり、なかなか生き物の取り扱いは難しいですね。お陰さまで、厳寒地でのノウハウは実践でも学びながら、いろいろと習得してきたと思っています。

 

 そのひとつに当社が力を注いできたエリカ(ヒース)とカルーナ(ヘザー)ですが、今年も当園では春一番の花木として無事開花しています。しかしついに日の目を見なかった種類があるのです。それは夏の暑さに弱い、少雪の冬は寒さと風で傷む、湿雪の多いところでは蒸れるので、気候的には極めて適応範囲の狭い品種X君。他にはない特異な性質がありますが、とても世に出せず、苗畑でひっそりと生きながらえています。

 

本州以南の暖地は勿論、北海道の気候でも健全に育たない気難し屋のX君

 

 昨今の花木・バラは十分な耐寒試験をせず、ハーディネスゾーン・ナンバーだけで判断して失敗する事例が増えています。スコッチウイスキーのように、自社で10年以上熟成したものを世に出せるといいのですが・・・

 

| 樹木よもやま話 | comments(0) | - | pookmark |
何よりの結果ですが・・・

 今年の冬は雪が少なく、該当する地域では耐寒性の乏しい樹木、特にバラは被害が大きいとの話がでています。それを防ぐための囲いについて、これまで最善とされていた囲い方法(1)に執着していたことが、解決を難しくしてきたと思います。すでにご承知とは思いますが、2年ほど前にあるグラフを公開したところ、これを察知した園芸指導家K氏が、某バラ園でそれまで例外なく行っていた囲い方法(1)を今回は弱そうな種類に限って囲い方法(2)に変更したのが見て取れます。

 

囲い上部を密閉した冬囲い(写真上)と囲い上部を開放した従来の冬囲い(写真下)

 

外気温との差がほとんど期待できない冬囲い(2017年3月)

 

 グラフは温度測定により囲いをほぼ密閉することで得られたデータで、外気温と囲い内部の温度(以降、内部温度と略します)との差が予想以上に大きいことがわかりました。耐寒性の乏しい植物では「密閉すること」が最低条件となります。なおデータのばらつきの大部分は測定誤差ではなく、温度以外の因子(ファクター)があること示しています。

 

  

通気性重視の従来型囲い(1)

内部温度をできるだけ高く維持する囲い(2)

 

 囲い(1)の方法では通気性がよすぎて内部温度が思うように維持できません。住宅の屋根・天井に大きな穴があいているのと同じで、寒さに弱い住人には最悪の居住空間です。と言えばわかりやすいですね。これに気づかず小手先の手法では効果が上がらないどころか逆効果になった可能性があります。

 

 なお、積雪の多い地域で少雪厳寒の際に賢明なガーデナーさんが冬囲いまわりに「雪寄せ」「雪かけ」しています。囲い外部を断熱効果の高い雪で覆うことはより効果的なので、このバラ園でも実施したようです。結果よければすべて良し?ともいえますが、積雪の少ない厳寒地ではそうもいきません。どうするか現在検討を重ねているところです。

 

| 冬囲いを科学する | comments(0) | - | pookmark |
アンデスの珍しい果実

 南米エクアドル、チリの山岳地域(アンデス山脈)原産で、気候的に近いニュージーランドで改良されているナス科の野菜。糖度があるので小さなメロンとキュウリを合わせたような食感とあっさりとした甘みが病みつきになります。今から30年以上前のこと。改良園から発売されたので、苗を購入し苗畑のハウスで試験栽培し、秋遅く霜害の前に鉢植えしていた苗を事務所に取り込んで様子をみました。収穫した果実は地下室で管理したので、傷むことなく鮮度を保っていたと記憶しています。確か2月末まで、主に私と子供が喜んで食べていました。

 

ハウス栽培中のペピーノ(1985年)

 

 ハダニ、オンシツコナジラミ、アブラムシが購入した苗についていることもあるので、早くから防除することをお勧めします。ネットではトロピカルフルーツとして紹介されて誤解されますが、高温には弱いので25〜30度以下が理想です。最低気温は10度以上(短い時間でしたら5度まで)あれば大丈夫だったと記憶しています。

 

このころはまだ植物栽培の初心者で、摘果のこともよくわからず成らせ過ぎでした

 

 近は当時からあった品種のほかにいろいろあるようです。近年は温暖化に伴い、サツマイモ、落花生の栽培が出来るようになってきたとのこと。来年は家庭菜園の一品としてあれこれ再挑戦してみようかなと考えています。

 

当時は駒澤大学苫小牧短期大学の先生にお願いして、ハスカップなどの小果樹と一緒に成分分析をしていただきました。(なおこの大学は2003年に廃校になり惜しまれます。)

最近はなんでもかんでも糖度が高いものが好まれていて、個人的には閉口しています。このペピーノは日本ではマイナーな存在ですが、こちらの記事をご覧下さい。

「南米原産「ペピーノ」アンデスの恵みを農大ブランド化へ」

https://www.nodai.ac.jp/research/teacher-column/18889/

 

 

1985年当時の改良園さんパンフレットより

| 開花・園芸情報 | comments(0) | - | pookmark |
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